寝た超

寝過ぎると、あくびが沢山でます(妹情報)

俺があと20若かったら孕ませてたのになあ、と言われたのですが<br>これはモテに入りますか

「君、10円玉って何gか知ってるか?」

痩せた長身にくたびれたスーツをまとい、時々焼酎の香りをもまとって出勤してくる営業部の男性がいる。二日酔いの日はテンションがおかしいし酒臭いのですぐに分かる。年齢は50歳ほど。通勤時のアイテムはラジオ。タイガースファンでシーズン中はネットでしょっちゅう試合結果などを見ている。好きな食べ物は1番目が白米で2番目はラーメン、3番目はピーナッツ。絵に描いたような大阪のおっちゃんである。冒頭の台詞は、その男性が言ったのであるが、

「あれ、オダさん、出かけるんですか?」

私は彼にそう問いかけたはずだった。

素人はまずここでつまずく。私の質問はどこへ行ったの?10円玉の話が何か関係あるの?わけがわからない!と混乱する。しかし私はそうならない。この会社で彼を扱えるのはこの私しかいないのだ。もっと言えば好きな食べ物ベスト3を把握しているほどの仲だ、オールライト、問題ない。私は答える。

「20gくらいですか?」

「君なあ、そんなに重かったら俺歩く時こないなるわ(ズボンのポケットを下へ引っ張りながら)」

「あははー!じゃあ、10g!」

(しばらくやんややんや)

結局、「出かけるんですか?」という私の質問は、1円玉は1gで10円玉は4.5gという回答に至り、会話は終結。私がちょっと目を離した隙にオダさんは外出してた。

「あっ、まかれた!!」

私は会社でなにをやっているのだろう。

彼はなぜか、やたら私に知識を与えてくるのですよ。やたら。

『世界一出産数の多い人は何人子どもを産んだんだと思う?』とか、『鏡をコピーするとどうなると思う?』などと問題を出してくる。こないだなんて、私の顔を見るなり『君、うなぎって知ってるやろ、なんでうなぎっていうか知ってる?』ですからね。開口一番それかよ。いいから営業行けよ。

しかしここで話の腰を折ってはいけない。彼がうなぎの話をするのならば、聞こうではないか。なんですかいきなり!なんてことは決して言わない。「そうそう、君に言おうと思ってたんだ」と言われてうなぎの話をされたのは初めてだけれども。拒絶や否定をしていては世界は変えられない。ねえみんな。この世界は君が思うよりずっと、やさしいものなんだよ?

ちなみに。

彼の息子さんは背が180cmあるそうで、紹介してくださいよ、と言ったら、

「背が届かなくてキスできないから君とは合わないよ」って断られた。