寝た超

寝過ぎると、あくびが沢山でます(妹情報)

『何かに一生懸命になれるって事はそれ自体が才能だと思う』

3月のある木曜日。13時に会社を出て、財布の中を見る。8千円。

 

やばいお金ない。

 

というのも、これから出張で品川から新神戸に向かい、日曜までの3.5日間、関西に滞在するのだ。往復のチケットはあるのでとりあえず行って帰ってくることはできる。だとしても、8千円。キャッシュカードは自宅に置いてきてしまった。取りに戻る時間はないのでもうどうしようもなく、新幹線に乗った。

 

木、金の2日間は仕事なので訪問先の方に移動の車も食事代も出してもらったし、宿泊代はクレジットカードで支払ったので出費ゼロだった。そうだ!我々大人にはクレジットカードがあるではないか!クレジットカードを持てる者が強者なのだ!と思ったのも束の間、金曜の夕方に仕事終えて先方と別れたあと、ここからはプライベートになるわけだけど、ICカードにチャージしようと思ったら現金しか使えない。えっ、。残金6千円。ちくしょう!クレジットカードあったってこいつ自身は金を生み出さない!世の中現金だ。現金持てる者こそが勝者なのだ。心細い。冷たい雨に打たれて髪も白シャツもびしょ濡れで仔猫を胸に抱きながら震えている。そういう心境だった。もう尾崎歌いたい。

 

土曜日の朝。ホテルをチェックアウトして大阪港へ向かう。大阪文化館・天保山で『魔女の秘密展』を観る。大阪からスタートしたこの展覧会は東京開催はたぶん1年後なので、今回の出張が決まって絶対観に行こうと決めていた。ちょうラッキー。チケット1500円。「カード使えますか?」「現金のみです」

ピギャーーーーー!!!!!!!

前日の夕飯とホテルでのおやつと飲み物の買い出しもあって残金は2千円になっていた。この土日で予定があと4件あるのに。もうだめだ絶対。

 

とにかく現金が欲しい。

 

なんとかこのプラスチックのカードから現金を生み出す方法はないか?そんなことばかり考えて、梅田へ向かう。友人と会う。「ムレスナティーのカフェ行きたい」と彼女は言った。「ねえ、そこ、カード使えるかな?」こんなの言ったことない。人生でこんなにもカードが使えるかどうかを気にしたことない。高い店か安い店かはもはや関係ない。いろんな人生があるものだなあと思う。望んでたものではない。

 

カード支払い可だったのでお会計を一緒にして、レジでクレジットカードを出しながら「見て、お金こんだけしかないねん……」と友人に財布の中を見せた。友人が自身の分を私に差し出した。瞬間。あっ!と気付く。「すごい!錬金術や!!!!!!」つって騒いでね。そりゃ一部始終見てたレジの店員さんも笑うけども、現金が生まれた。プラスチックの錬金術師である。その後の予定もお会計をまとめてクレジットカードで支払っては現金を増やして、帰る時には最初の8千円超えてた。わお。そして3月の請求額に驚愕。そう、錬金術は等価交換が原則。あと、私は33歳になりました。たすけてほしい。